弊社の特徴
弊社は都内唯一の金属印刷工場で、約1000平米の敷地ですが、従来型一般的な工場としては、かなり手狭な工場です。
そのため、大ロットを高速で、しかも昼夜で作業する業界標準的なビジネスモデルが採用出来ませんでした。
弊社はそれを逆手に取り、かなり前から小ロットで高度な技術を必要とする金属印刷に特化してきた金属印刷工場です。
ローラー塗装
塗料は、乾いた後硬化して被膜を作る樹脂と塗り易くする為の溶剤を組み合わせた塗料です。
一般的な塗料であるペンキは常温で溶剤が飛び、常温で樹脂が硬化します。
しかし、金属印刷は缶に成形するためにプレス加工をする工程が発生します。そのため、樹脂の被膜を強固にするためには常温の硬化ではなく焼き付けなければいけません。
約10分焼き付け
塗装機から出てきた母材を乾燥炉の鉄枠(ウイケット)の間に立て掛け、塗料に合わせて指定の温度(約160度~230度)で業界の一般的な炉で約10分焼きます。
業界の一般的な炉は塗料の硬化のメカニズムが分かっていなかった頃の設計で、もっぱら熱で硬化すると思われていましたが、酸素も重要な要素として必要なことが分かってきました。
分かりやすい例ですが、スキー場の旅館の乾燥室より晴れた日に外で乾かした方が良く乾くことはお分かり頂けると思います。
塗装オーブンの熱風発生炉で作られた熱風を炉前部に送り、塗装機から出て来た母材上の塗料の溶剤を飛ばし、炉の中央部で樹脂を硬化させ、炉後部で冷却を行います。
業界の一般的な炉は熱を効率的に使う為、前部の溶剤を飛ばす前排気のガスの一部を炉内に循環させる構造です。まだ硬化する前の樹脂の粒子と水分をふくんだ酸欠の空気が充満した炉内で乾燥、焼付けが行われています。
この劣悪な条件での炉は焼付けに時間が掛かり、従来の炉では焼き付けに10分が必要かつ炉の長さは40メートルの長さが必要でした。
弊社は20年以上前にこの製造過程に疑問を感じ、前排気を循環させないオーブンを開発しました。開発してからも現在に至るまでに改良を重ねて、24メートル、6分乾燥で良好な硬化が得られ、ゴミの付着の少ないクリーンオーブンです。
廃棄されたガスは法律に準じ、再燃焼装置で完全に燃やして排気しています。
油分であるインキが親和性のある画線部と水と親和性のある図柄の無い部分からなるアルミ版をオフセット印刷機のシリンダーに巻き付け、ブランケットを巻いたシリンダーに転写し、ブランケット胴とその下の圧胴との間を母材が通過する時に印刷が行われます。
*オフしてからセットするので、オフセット印刷と呼ばれています。
従来はネガフィルムに保存されたデータをアルミ版に焼き付けて刷版を作っていましたが、現在はデータを直に版に焼き付けるCTPと言う技術で刷版を作成しており、以前より画期的に精度が上がりました。
ただしこの装置は高額な為、小規模な弊社は導入せず、信頼できる製版メーカーさんに刷版を外注することでCTP刷版を導入しています。